2004年12月5日 / 最終更新日時 : 2020年8月19日 M 神奈川新聞随筆欄 「週言」 ※全10回 平成16年1月~平成16年12月 第10回(最終回)『外からの日本観』 小林武史 二十七年前に亡くなった伯母が、よく言っていたものだ。「人間、二十年は付き合わないと、本心は分からないよ」と。 今になって、その意味するところが、少しは理解できるようになった。 先頃、渋谷新一さんと二十二年ぶりに再会した。 […]
2004年10月31日 / 最終更新日時 : 2020年8月22日 M 神奈川新聞随筆欄 「週言」 ※全10回 平成16年1月~平成16年12月 第9回『ハンカクサイ』 小林武史 私が生まれて初めて外国の地を踏んだのは、1961年の12月の末であった。親戚にロシア人もいたし、アメリカ人二世もいたので、外国というものに、憧れはあっても、それほど違和感はなかった。 私が落ち着いた国は、チェコスロバキア […]
2004年9月26日 / 最終更新日時 : 2020年8月19日 M 神奈川新聞随筆欄 「週言」 ※全10回 平成16年1月~平成16年12月 第8回『無上の幸せ』 小林武史 アルバニアという国は、かつて、クラシック音楽を否定していた。体制の崩壊後は、認められるようになったそうだが・・・。由って立つ宗教のために、クラシック音楽を”不道徳”とする国もあり、自国の民族音楽以 […]
2004年8月22日 / 最終更新日時 : 2020年8月19日 M 神奈川新聞随筆欄 「週言」 ※全10回 平成16年1月~平成16年12月 第7回『健忘症の私』 小林武史 1972年から現在まで毎年、海外で演奏をしている。この間、3回ほどは都合で外国に出掛けなかった年もあったが・・・・。 外国旅行では、演奏会を行う度に日記を書いているので、殆どのことは昔の手帳を読めば蘇ってくるのだが、実は […]
2004年7月18日 / 最終更新日時 : 2020年8月19日 M 神奈川新聞随筆欄 「週言」 ※全10回 平成16年1月~平成16年12月 第6回『南米での指導』 小林武史 南米に興味を持ち、南米の各地を旅したことがある。演奏会を開催しながら指導もし、その土地の人々と交流を深めた。 ベネズエラが、私が旅した最初の南米の国であった。ボリビアやアルゼンチンにまで足を延ばし、ベネズエラとブラジルに […]
2004年6月13日 / 最終更新日時 : 2020年8月19日 M 神奈川新聞随筆欄 「週言」 ※全10回 平成16年1月~平成16年12月 第5回『八丈島の團伊玖磨』 小林武史 去る5月17日は, 團伊玖磨先生が他界されて、3年目の命日であった。 先生は1962年ごろ、八丈島に別荘を建てられ、横須賀・秋谷のご自宅と往復しながら作曲と執筆に専念されていた。約40年前に建てられたその別荘は台風と白蟻 […]
2004年5月9日 / 最終更新日時 : 2020年8月19日 M 神奈川新聞随筆欄 「週言」 ※全10回 平成16年1月~平成16年12月 第4回『猛獣に触れた感覚』 小林武史 高田栄一先生という爬虫類研究家の大御所と知り合って、四十年以上にもなる。 今は亡き團伊玖磨先生からのご紹介であった。團先生は高田先生の影響もあってか、蛇を飼われていた時期もあったようだ。 ところで、蛇にも意思は伝わるもの […]
2004年4月4日 / 最終更新日時 : 2020年8月19日 M 神奈川新聞随筆欄 「週言」 ※全10回 平成16年1月~平成16年12月 第3回『矢印の付いた道』 小林武史 「ひとつの風が吹くと皆、そちらに靡く(なびく)。 自分のことだけを考えて、他人のことは考えない。日本は衰退の一途を辿っている・・・」あるテレビ番組での、某ニュースキャスターの言葉である。 人間だから、靡くのも […]
2004年2月29日 / 最終更新日時 : 2020年8月19日 M 神奈川新聞随筆欄 「週言」 ※全10回 平成16年1月~平成16年12月 第2回『オーケストラのノルマ』 小林武史 1961年の暮れ、技術を磨こうと、チェコスロバキアに行くことにした。私は、翌年の2月に満30歳になろうとしていた。 デンマークのコペンハーゲンからチェコエアラインが出ているとのことで、コペンハーゲンに向かった。すると「チ […]
2004年1月25日 / 最終更新日時 : 2020年8月19日 M 神奈川新聞随筆欄 「週言」 ※全10回 平成16年1月~平成16年12月 第1回『ボン』の一言 小林武史 「人は環境の子なり」。今は亡きわたしの恩師鈴木鎮一先生の格言である。鈴木先生は世界に冠たる「スズキメソッド」の創始者であり、幼児教育法の研究家として勇名をはせた方である。 私は地球上、あちらこちらと歩き回り、演奏会を […]