ドイツ演奏会(2)《Oberstaufen》 南ドイツ

日本語訳

陽気な躍動

バイオリンとピアノデュオ コヴァチ/小林

パヴォル・コヴァチはオーバーシュタウフェンの聴衆にはよく知られている。
すでに何度もシュロスベルク・クリニックでクリニックの患者支援協会のために
すばらしいコンサートを開き、聴衆を感動させている。
この度、彼は小林武史とのデュオで登場した。
この日本人の音楽家は日本だけでなく、オーストリアやチェコでも定評がある。
ヨーロツパ、USA、日本での多くのコンサートでもソリストとして演奏している。
オーバーシュタウフェンで二人の音楽家は、ソリストであるお互いをハーモニーで補い合いながら、
古典派とロマン派のプログラムを提供した。
バロックのヘンリー・エクレスのソナタg-Mollは荘厳に始まった。
彼らはアレグロとヴィヴァーチェでは真のバロックの様式で表現した。
その躍動的に生き生きとした音楽と並んで、アダージオもきっぱりとしてすばらしかった。

すばらしいマスネー

二人は陽気にそして巧みにヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトのD-Dur,KV301のソナタを演奏した。
第一楽章で、音はピアノの上をのびのびと戯れ、第二楽章ではピアノとバイオリンがダンスを踊るように、
軽く飛ぶように二つの楽器の音が互いに縮み合った。
バイオリンで特に目立ったのは、ジュール・マスネーのオペラ「タイス」の瞑想由であった。
完璧なテクニックで演奏され、バイオリンは、まずはこのすばらしい曲を特徴づけているひそやかな軽さをなくした。
地を這うように始まった後、バイオリンは見る見るうちに上って行き、最後にはとても軽くメロディーを響かせた。
リースの「ラ・カブリチオーソ」の音楽はその躍動的ダンスで陽気な道化師を連想させた。

スラヴ気質

休憩の後、音楽家はアントン・ドヴォルサークのソナチネ作品100G-Durでロマン派へと移っていった。
メランコリックな「ラルゲット」や締るような「スケルツオ」でも
農民の踊りにも受け継がれているスラヴ音楽のジプシー的な部分がほのかに見えた。
ピーター・チャイコフスキーの「カンツォネッテ」のあと、デュオはスメタナの「わが祖国」
から2曲を演奏し、スメタナの情熱を非常に早い最後の渦で再現した。

聴衆は惜しみない拍手を送り、それはワルツのリズムの2つのアンコールで報われた。
ひとつはサティーの「1e Te Veux」であった。
それは本来プログラムに予定されていたが、大幅な変更によって犠牲になったものであった。

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